革漉き機の購入を考えている方へ

昨日は遠方の友人が革の厚みを調整できる革漉き機の購入を考えているということで、私が信頼しているミシン屋さんにお連れしてきました。

新品のNIPPY製のNP-202を触らせてもらいましたが、まぁほんとに感動しました。

思わず私も新品の革漉き機を購入しようかなと思ったくらい滑らかで気持ちのいい調整でした。

友人は新品を購入するということを決めたようですが、賢明な判断だと思います。

 

今の時代、何か買い物をしようと思ったらさまざまな販売チャンネルが用意されているのはご存知のことと思います。

その中でも多くの支持を得てきているのがインターネット経由の買い物ではないかと思います。

手軽に安く早く購入できることが人気の理由でしょう。

私もよく利用しますし、ありがたい時代だなぁと思います。

今回、友人はミシン屋さんから新品の購入を決めましたが、私の場合はというと、じつは中古の革漉き機をネットで探して購入したという経緯があります。

革漉き機はレザークラフトを始めて一番最初に購入した大きな機械でした。

レザークラフトについては、ほぼ独学でやってきました。

機械についても師匠と呼べる人はいないので手探り状態でした。

ずいぶん遠回りをしてきたと思います。

当時は腕がいいミシン屋さんももちろんわかりません。

資金も潤沢ではありませんでした。

最初の何十万もする大きな機械の買い物でしたから及び腰になるのも当然です。

ただ、仕事として長く続けて行く中で、道具の性能は製品の質を大きく左右することを身につまされて理解してきました。

目先の価格の安さということについつい目を奪われてしまって、もっと広い射程で見たときに、ほんとうに大事にしなければならないことは何か?を見失いがちです。

これを昔の賢い人たちは一言で、「安物買いの銭失い」と表現したわけなんですけどね。。

 

革漉き機はシンプルな機構のため丁寧に大事に使ってあげれば一生付き合っていけます。

なんらかの理由で手放された革漉き機が市場に出てくることもあります。

大事に使われた機械なら次のパートナーにもずっと元気で伴走してくれるでしょう。

その機械がいい状態なのかそうでないのか、ちゃんとした整備がされているのかそうでないのか。

残念ながら、見極めるのはそう簡単ではありません。

個人間での売買を否定するつもりではありませんが、そこはよほど慎重にならないと後々しんどいことになってしまう可能性があることを理解しておいてほしいです。

とは言っても、近くにいいミシン屋さんがないとか、そんな本格的にレザークラフトをするわけではないのである程度のレベルでかまわない、という方もたくさんいらっしゃるかと思います。

 

だからここからは、老婆心ながら書きますね。

私自身、革漉き機はネット経由で中古を購入したと書きました。

振り返ってみて、当時の私の気持ちはわかりますが、でも今では後悔もしています。

今もその革漉き機を使っていますが、長く使える機械に当たったのは単なるラッキーにすぎません。

使いこなせるようになるまでずいぶんと時間も要しました。

誤った理解で作業を進めていたり、機械の調子がでなくても自分で解決しようとしてしまったり。

だいたいこういう業界に入ろうという人は機械好きが多いように思います。

やっかいなことに、その「好き」が変な邪魔をして勝手な思い込みで調整をしてしまいがちです。

まずい調整が結果的に仕事の進行を遅らせてしまうことは、立派な高コスト体質です。

あれ、おかしいなと思った時はすぐに手を止めてプロフェッショナルに聞く。

これが重要です。

すぐに来てもらえない距離であっても、電話でこれこれこういう状況なんですがどうなってるんでしょうかと指示を仰ぐ。

そこがちゃんとしたミシン屋さんで購入した場合のメリットの一つです。

 

先日のことですが、ミシンや革漉き機についてのすぐれた書籍(『工業用ミシンと漉き機の基本操作とメンテナンス』)も販売されたりと、初級者をとりまく環境は以前に比べてはるかに整ってきました。

鞄や革小物といったレザークラフトは始める際の比較的敷居の低さも魅力の一つであると思います。

軽い気持ちでやり始めたら、意外と長く続けていけそうだとか、思いの外はまってしまって革漉き機も購入しようかなと思われた方へ。

長い目で見れば、いい作品を仕上げるには、信頼のおける腕のいいミシン屋さんでなんとか頑張って新品の機械を購入する、というのがシンプルにいちばんの近道なんじゃないかなと思います。

 

今回、友人を紹介したミシン屋さんとお話ししていてあらためて思った次第です。

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