商品の撮影をお願いしました。

昨日は商品の撮影をお願いしてきました。

そうです、いつもお世話になっているKOYA WORKSさんに撮影してもらいました。

撮影現場には立ち会ってもかまわないとのことですので、ご一緒させていただきました。

立ち会うのはなにもこんな感じで撮って欲しいとか細かく好みを伝えるため、ということではないんです。

基本的におまかせで、自由に料理してもらう方が美味しいモノが仕上がってくると思っています。

ただ、別世界の仕事は楽しくてその道のプロがやる仕事ってほんと見てて飽きません。

今は撮影しながらパソコンの画面上ですぐに画像が確認できますから、あ〜そうやって場面を切りとりますか!という具合にドキドキわくわくです。

あと、ひょっとしたらこれがいちばん重要なんじゃないかと思うのは、こちらでコントロールしようとして出来上がってくるものなんて底が浅いんだろうなということです。

お客さんにここをこだわっているんですーとかここを見て欲しいんです!といくらアピールしても反応はいまいちだったり、逆に作り手にとってはありふれた箇所であっても意外とお客さんは興味を示してくれたりとそのようなずれってけっこうあります。

商品に対する私の視線とカメラマンの視線を考えた場合、どちらがお客さんに近いのかと言えばそれはカメラマンの方ですよね。

だとすればカメラマンの視線( ≒ お客さんの視線)で対象をとらえてもらいそしてプロのカメラマンとしてのセンスとテクニックで切り取ってもらう。

作る側としたら商品に対する視線にはだいぶフィルターがかかっていますので、そういうのを取り払った裸眼で眺めてもらうとおそらく想像していたところを超えてくる良い絵が撮れたりするんじゃないでしょうか。

できあがりが楽しみです。

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カッターナイフ三昧

遅くなりましたが、まずご報告として。

先日のroomsの出展の際はたくさんの方々に弊社ブースにお立ち寄りいただき誠に感謝いたします。

びっくりしたのが日本の某有名バッグブランドの社長が部下の方を伴ってお見えになっていたことです。

VIPとして招待されていたとはいえお忙しい身であるでしょうし、今回の展示会も見るほどのことはないと思えばそもそも来られないでしょう。

それでもわざわざご来場され弊社のブースにも立ち寄ってくださり商品を手に取って見てくださいました(一瞬ですが)。そしてすぐ嵐のように去っていかれましたが。

日々いろんなことを見聞きして現状認識されてるのかなと思いました。

印象的な瞬間でした。

展示会としてはあくまでバイヤーやプレスの方々のためでしたので一般の方は入場ができません。

展示会ではどのような発展があったのか。

おかげさまでその時のつながりから新しい話はいくつか進みつつあります。

まだ正式には発表できませんが、そのときが来ましたらお知らせしたいと思います。

 

さて今回はカッターナイフのお話。

メインの素材の革を切るにはいろいろな道工具を使いますが、その中でもカッターナイフが広く支持されています。

おそらくカッターナイフというとみなさん黄色いボディの「OLFA」カッターを思い浮かべられる方も多いのではないでしょうか。

知り合いの職人さんがフランスに修行に行っていたときVUITTONの職人さんもOLFAのカッターナイフを使っていたそうです。

彼が日本に一時帰国しフランスに戻る時にはお土産として日本からOLFAのカッターナイフを買っていって喜ばれたそうです(フランスで買うと日本で買うより高いですからね)。

ブランド名のOLFAといえば有名な話があります。

パキンと折る刃から、おるは、オルハ、OLHA、おるふぁ、オルファ、、、OLFA、ばんざ~い!ということでブランド名が考えられたそうです。

なかなかお茶目ではありませんか?

そんなオルファ株式会社はなんと大阪に本社があるのです。

昨今はあんまり良い話題では取り上げられることの少ない大阪ですが、大阪に住み、大阪で製造を続けていこうと思う私にとってはとってもうれしくとっても心強いものです。

勝手に親近感を抱いてるオルファのカッターナイフですが、企業努力も素晴らしいことから私たちはお手軽な価格で購入することができます。

ただ、それはどんなことを帰結してしまうかというと...

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こういうことになってしまうんですよね。。

だいたい職人なんてものは道具とか工具大好き人間ですし、新しいのを見つけたら買ってしまうという習性があります。

くわえて私の場合は形がかっこいいとかデザインが素晴らしいとか色がいいね!とかそんな本質的ではない理由で買ってしまうので、もう思うつぼです。

例えばペーパークラフトとかする場合に使用するとされるアートナイフもプロ用とかって書かれてあると、あ、買わねば!と素直な性格を発揮し、限定色とか言われるとコレクター魂に火をつけられ、まるでもてあそばれています。

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ロータリーカッターと呼ばれ、やわらかい生地などを切る時に活躍します。

 

じっさいのところ写真の中で一軍として活躍している選手はというとやはり決まっていてあとはファームにて練習させられているようです。

たまに監督(私)が気まぐれで取り出してきて先発に呼んだりするのですが、やっぱりファーム行きやなとレギュラー争いは無慈悲なものとなっています。

そんなオルファ社のカッターナイフが支持される理由はそのお手軽さにあります。

刃物というのはふつう手入れを必要とします。

ところがオルファのカッターナイフはブランド名の由来にもあったように切れ味が悪くなればその刃をパキッと折ると次にまた切れ味の良い刃が出現します。

革を裁つのには革包丁という専門の刃物も使うのですが、これは調理で使う包丁のように定期的に砥石で研がないといけません。

以前、革包丁の手入れの勉強のために刃物の研ぎ屋さんの講習会に参加したことがあります(包丁研ぎの話も面白いのでそれはまた別の機会に)。

そのとき研ぎ屋さんはヨーロッパでは包丁を研がないからねぇ~とおっしゃっていて、ヨーロッパにも講習に行かれてるとのことでした。

飲食店の厨房で棒状のシャープナーに包丁をシャキーン、シャキーンとこすっている光景に出会ったことがありませんか。

あれは包丁の刃を「立てて」いるのであって研いでいるのではありません。

言うなれば一時しのぎの切れ味の回復を狙っていて根本的な解決にはなっていないのです。

とは言えやはり急いでる時には砥石を出してシュルリン、シュルリンと研ぐのは時間が惜しいですからそうなってしまいます。

そうなると先端の刃を折ることによってたえず新鮮な切れ味をキープできるカッターナイフは重宝されますよね。

素材としての革を触りはじめたとき、まわりでカッターナイフが当然のように使われていたのが意外に感じたものですが、今となってはなるほどなーと思うわけです。

ホームセンターにでも行けばオルファ社だけに限らずカッターナイフはあふれるように売られているわけですが、その当たり前の光景にありがたみというかその画期的な機構を私たちは忘れがちですね。