二つ折財布 <レグルス> 製作記 その8 完成

二つ折財布の小銭入れ付き<レグルス>、ようやくのことで完成いたしました。
前回までに両脇をL字型にステッチをかけましたが、その糸処理をまずは頑張らないといけません。

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縫い終わった直後はこのように糸が未処理になっています(画像は実際の商品ではなくサンプルの画像になっています)。
まず上糸を下糸側に引き抜きます。

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そして上糸を手縫い用の針で裏から表面へと一回ぐるんと手でかがります。
再度上糸が裏面へと出た状態になりますのでそこで上糸と下糸を固結びします。
それで結び目を縫い穴の中へ隠します。

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この処理についてはいろいろ悩んでおります。
はっきりいってやり過ぎではないだろうか。
一点モノのオーダー商品とかならもちろん丁寧に贅沢に仕上げていくというのは当然のことです。
でもこうした量産していく商品にたいしてこの処理は手をかけ過ぎではないのか。
そんなんしてたら数あがらんよ〜といった声が聞こえてきそうです。
ミシンで縫う場合は通常ポリエステルやナイロンといった化学繊維の糸を使用します。
ですので熱に弱い性質からミシンで返し縫いをしたあと、半田ごてのような道具で糸を焼き切って処理をするということが多いです。
メリットはやはり早く処理できるということです。
上で書いた私のやり方ではこの何倍も時間と手間がかかってしまいます。
しかし重要なのは商品をきれいに早く完成させるという区切りの射程でとらえるのではなく、そのずっと先まで見据えた射程で考えていかないといけないと思うんです。
商品をお使いいただくうちに痛んできたり弱ってきたりする箇所は必ずといっていいほど出てきてしまいます。
そうした箇所を限りなく減らすように製作する努力をするのは作り手の責任です。
お客様にはこういう使い方をしてほしいなぁ(こういう無茶な使い方はしてほしくないなぁ)といくら作り手が想っていても、それを上回る使用方法をされるのが当たり前というのが私の経験上の実感です。
ですから私たちもその想定外の使用方法になるべく対応できる(耐えられる)造りを目指さないといけません。
時間がかかる糸処理もそのひとつです。
ふつうの処理よりも何倍も時間をかけてずっとずっと先の使用を想像して製作していく。
一見、時間のかけ過ぎでどんくさいモノ作りやなぁと思われてしまうかもしれませんが案外近道なのかもしれません。

そしてじっくりとコバにネンを引き下塗り液を入れコバを仕上げていきます。

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ようやくできあがりました。

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