二つ折財布 <レグルス> 製作記 その3

ネンを引き終えたら次はコバに薬品を入れ磨いていくことになります。

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私たちが使用する薬品というのはコバの表面を固めたり革の繊維と繊維の隙間を埋めるパテのようなものです。
コバをどう処理していくかというアプローチはたくさんあって、職人の数だけやり方があるとも言われるほど様々です。
私も先輩の職人の方法や見聞きしたやり方をいろいろと試してみたり、組み合わせてみたりと試行錯誤を重ねてきました。いま採用している方法や薬品もさしあたって現時点では最善かなぁというくらいで将来的にもっといい方法やすぐれた薬品に出会えば乗り換える可能性はおおいにあります。

画像にある「セットアップ常温型」というのは硬化剤の一種で革にしみ込ませると硬化し加工しやすくなります。最近は使う出番は減ってきました。
かわりによく使っているのが「下塗り液」というものです。
これは繊維と繊維の隙間を埋めてくれるパテのような働きをしてくれて染料を入れる前の下地が作りやすくなります。

薬品を入れたコバはバフと呼ばれる機械にフェルトバフや木バフ(本来は金属を磨いてバリを取ったり光沢を出すためのもの)を装着し一枚一枚磨いていきます。

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スイッチを入れると円形のフェルトバフや木バフが高速回転し革のパーツを押し当てることによってコバを磨こうというものです。
本来は金属や木材を研磨したりするものですので押し当てるのに革だともう少し固さが欲しい。
そのために硬化剤を使用します。
ただ硬化剤はそうして磨く時は力を発揮してくれるんですがその後のコバ面を染めるという工程で物足りなくなってきます。皮革には繊維の荒いもの、目の詰まってるものなど様々です。繊維の目が細かくしっかりつまっているものなら問題ないのですが、繊維の荒いコバ面に染料を入れてもその隙間に染料が入っていくだけで表面はガタガタで滑らかになってくれません。
そこで下塗り液を使ってみることにしました。これならある程度コバ面の固さも出すことができ染料を入れる際もパテのように繊維と繊維の隙間を埋めてくれているため染め上がりがきれいになります。

つぎは小銭入れ部分の製作です。(つづく)

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